ピクセル

Pixels
80年代初頭のビデオゲームのキャラが地球に侵略してきて、それに対抗できるのは当時のゲームチャンピオンたちしかいない、ってんで集められて地球の危機を救うためにレトロゲームな戦いを繰り広げる40歳代かつてのゲーム好きが歓喜するお楽しみアクションSFファンタジー。
ピクセル

パトリック・ジーンという人がYouTubeに短編映画を挙げていて、その素晴らしいアイデアに映画化決定、クリス・コロンバス監督による本作「ピクセル」の原作となったようです。
その原作短編映画がこちら「Pixels」 by Patrick Jean。こりゃ素晴らしいアイデア。そして技術。

てなわけで映画化にあたりいろいろ脚色して「ピクセル」できました。楽しそうなのでわくわくして興味を持って観ます。

この映画は82年のビデオゲームが基本にありまして、ゆえにそうですね、多分40歳以上のひとたちが懐かしがって転げ回るネタを用意しました。
私もバイト帰りにゲームセンターでドンキー・コングをやった記憶があります。ギャラガがギャラクシアンになったあたりまでやっていました。もう少し前の時代には「スペース・インベーダー」以降、単純な線だけで表現されていた頃がありまして、そのころは未来的でビデオゲームが好きでした。性能が上がって実際のキャラみたいなのが出てくるまではクールな世界感に痺れていたものです。いやはや、懐かしいです。

観る前は、わくわくしつつも毒気も何もないつまらないファミリータイプ娯楽作品かなと危惧もしていたんですが、実際は大変面白かったのです。細かなギャグがいい感じの脚本もいいし、クリス・コロンバス監督の風味が良い方向に出たのだと思ってます。ファミリー向けの監督ですが、ファミリー向けの中にもぴりりと何かよい味わいを持っています。
「ピクセル」の細かな台詞回しやギャグや仕草など、細部に妙なものが宿っていて、そこが大変よろしいです。

ゲームオタク的にはさほどの力を込めていないというか、オタク向けではないように感じます。オタクをくすぐるマニアックなネタなどはほとんどありません。上手にファミリー向けとなっています。オタク心をくすぐりまくるSFコメディには「宇宙人ポール」や「ギャラクシー・クエスト」などがありますが、ああいうのとは少し違う系統です。もちろん、その方向で正解だと思います。

私も少々オタク気質がありますので、そっち方面からは少し言いたいこともあります。かつてのゲームチャンピオンを集めたくせにやってることはただのヒーロー活劇ってところなどです。ゲーム攻略が生かされていません。例えば、パックマンを実践するのにオタクが実際に車に乗ってカーチェイスをしてしまいます。参謀本部では俯瞰した映像で車とパックマンの挙動を追って指示したりしていますが、これカーチェイスはベテラン運転手がやって、参謀のほうにオタクがいないとおかしいでしょうと。ドンキー・コングを攻略するのにハンマーを投げつけて倒すとは何事かと。まあ、そういう部分はいろいろあります。しかしそんなことはどうでもよろしい。

何せ面白かったのは会話です。何かにつけて会話の面白さはけっこうたまらない魅力がありました。陰謀論者の「撃ったのはケネディが先だ!」っていうのとか、どうですかこのセリフ。これはたまりません。何がどうなってんのか、その陰謀論をみっちりお聞きしたいです。
文字をちゃんと読めない頭の悪い大統領とか、わけのわからないことを言ってるイギリスの女首相とか、インドで恋を語るカップルとか、いろいろ面白くて気に入りました。

というわけで「ピクセル」は予想に反してたいそう楽しめましたという感想でした。意外な作品が好みにフィットしたりする、不思議なもんです。

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