サヴァイヴィング ライフ

Přežít svůj život
ついに出ました我らがヤン・シュヴァンクマイエルの精神分析コメディ大公開。
サヴァイヴィング ライフ

展覧会とのコラボレーションを各地で開催、ヤン・シュヴァンクマイエルの「サヴァイヴィングライフ」がやってきました。やあやあやあ。

実はヤン・シュヴァンクマイエルを知ったのはブラザーズ・クエイ「ストリート・オブ・クロコダイル」が公開されてからで、彼らが敬愛するというヤン・シュヴァンクマイエルとは何だ何だと出たばかりの高価なビデオを買いあさり上映会に出かけ虜になった次第なのであります。
そんなわけですので、勝手に「古い歴史的な人」と決めつけてしまっていて、あの当時に老人であると思い込んでおりました。だってみんな敬愛してるんだもの。思い込みとは恐ろしいものです。25年くらい経って、やっと今お爺さんの年齢でありますよ。ヤン・シュヴァンクマイエルは1934年生まれで、昭和でいうと9年。おひょいさんや筒井先生と同い年です。若いじゃん。いや、今は老齢ですけど、イメージとして。

そんなことはともかく、この方のアニメ映画を観まくったあげくに特に気に入っていた「男のゲーム」というのがあります。あのドタバタ感コメディ感はやたら不思議で若々しさにもあふれており、本作「サヴァイヴィング ライフ」の垢抜けたタッチの片鱗もちょっと感じられます。
シュルレアリスムというのはこれは突き詰めればギャグになります。今では当たり前の夢や精神分析といったシュールネタも本物のシュルレアリストにかかればこのようになるという見本のような出来映え。
軽々しく分析してはいけません。戦闘的シュルレアリスト健在であり、でも同時に垢抜けて誰にも見やすい娯楽作品という仕上がりにも感動です。

精神分析は優れたミステリーです。
「サヴァイヴィングライフ」を貫くストーリーは精神分析ネタとしては王道で、ともすれば「ありがち」などと言う輩が出てくるかもしれませんが、ここまできっちりやり遂げているのは貴重です。ドラマとしても完成されていて、最後のほうでは涙ぐんでしまう人もいるほどです(わしか)

アニメーションに関しては写真を使ったストップモーションで、ぜったいに連想する人それはテリー・ギリアムです。はっきり言って20代のテリー・ギリアムが作ったアニメーションに似すぎているほど似ています。
でも似ていていいのです。シュルレアリスムを踏まえたアニメーションはこうなる必然性があるのです。そもそもはマン・レイのコラージュとも似ているじゃありませんか。敬愛する人々の作品から自分の歴史を感じさせてくれるなんてそうそうありません。

謎の美女を演じるクラーラ・イソヴァーという人は大きな目をしたたいへん美しい女優さん。まさに夢の人。チェコの映画が日本に紹介されることはあまりなく、他の作品を簡単に観ることができないのが残念。

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