ゴースト・オブ・チャイルド

No-Do
ゴースト・オブ・チャイルド
公開年:
2009
製作国:
監督:
製作:
脚本:
撮影:
音楽:
  • アルフォンス・コンデ
主演:
出演:

数十年の昏睡から目覚めた女性、子育てノイローゼの母親、古い曰く付きの屋敷、そして儀式の謎。アナ・トレントを主演にお送りするスペイン名物オカルト・コンプレックスのゴシックホラー。

ゴースト・オブ・チャイルド

アナ・トレントを拝むのは「テシス」以来です。

今回の役は育児ノイローゼらしい母親。曰く付きの古い屋敷に引っ越してきて、現象や幽霊や色んな怪しいもに追い詰められたり「それはあなた、ノイローゼのせいよ」なんて言われてりしながら、同時に過去の忌まわしい事件を探るミステリーをやったり、ちょっとした意外な展開なんかを踏まえたり、幽霊が出たり、昏睡から目覚めた老婆が絡んできたり、エクソシスト物語になったり、母子の物語になったり、怪しい儀式にまつわる悪魔的なお話になったり、まあ、あれもこれもとあらゆる要素と定番を盛り込んだ複合的作品、即ちオカルト・コンプレックス・ゴシック・ホラー、略してオカコンです。

オカコンやスリコン(スリラー・コンプレックス)の作風は今やスペイン映画名物。いろんな作品のいろんな要素を詰め込んで、下手すりゃ「何を描きたいんだ」上手くいきゃ「盛り沢山でめちゃおもろい」と、そんなふうになります。
「ゴースト・オブ・チャイルド」はどうでしょう。正直に申しますと「盛り沢山で散漫」てな感想です。
ひとつずつは面白いネタなのですが、なんかもったいない出し方で、効果が薄れてしまっているように感じました。
例えば邦題で採用された「ゴースト・オブ・チャイルド」の部分、昏睡から醒めた老婆、宗教がらみの秘密、少女の幽霊、うーん、なんかどれもこれも若干消化不良。ラストに突然すべてが馬鹿馬鹿しくなってしまうラスボス仕様の展開も残念と言えば残念ですが、これはまあ若年層向けのお楽しみとして、否定するものでもありません。
いいシーンもあります。母子で果物の会話しているシーンとか。

近年というかちょっと前、誰かが仕掛けるのか偶然なのか知りませんが、ホラー映画では「ヴァンパイア」ブームがあって次に「エクソシスト」ブームが訪れ、何作もリリースされました。
ヴァンパイア物にはピンと来ませんが、エクソシスト物はもともと好きなので積極的です。
ラスト・エクソシズム」「エクソシズム」本作「ゴースト・オブ・チャイルド」を最近観たわけですが、残念ながら本作の力は今一歩及ばずです。決して、それほど悪い映画ではありませんよ。スペイン名物的にそれなりに面白いです。けどやっぱりなあ。惜しい。

で、最近のエクソシスト物のもう少し前、突如として現れた素晴らしいエクソシスト物の映画があります。MovieBooで記事にすることはないと思うのでここに書きますがそれは「エミリー・ローズ」です。
「エミリー・ローズ」は2005年スコット・デリクソン監督の作品で、エクソシストにまつわる裁判の映画ですが、たいへんな良作でした。
そういう良作がすでにあるのに、さらにまだエクソシストを題材として映画を作るのは相応のアイデアと覚悟と自信が必要です。

「ゴースト・オブ・チャイルド」にはそういった意味での「新しいアイデア」はありません。強いて言えば邦題にもなっている「ゴースト・オブ・チャイルド」の部分がキモかもしれませんが、あまり生かせていませんでした。残念感が強いです。ギレルモ・デル・トロやジャウマ・バラゲロといった匠の監督なら上手に演出できたかもしれません。けどないものねだりはいけません。

さて主演のアナ・トレントです。
「テシス」の印象からはそう遠くない出で立ちで、やや貧相なノイローゼ気味の母親役が似合ってると言えば似合ってます。
大人になってからのアナ・トレントを全然知らず、それ見たさというのもありました。目元には子供の頃の美しさが漂っています。

というわけで「ゴースト・オブ・チャイルド」でした。若干貶したような文章になってしまいましたが、映画の基本的仕上がりは真っ当でちゃんとしていまして問題ありません。オカコン的に盛り沢山で子供から大人まで楽しめます。素直でピュアな人ならきっと面白いと感じるでしょう。捻くれたマニアにはあまりお勧めできませんが、捻くれすぎて裏返ったようなマニアの方はもちろん押さえておかねばなりません。

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