スペイン一家監禁事件

ヨーロッパ中で多く起こっていると言われている犯罪、押し込み強盗を真っ向勝負で描いたスーパーナチュラルクライム最悪系映画。越してきたばかりの裕福なご家庭に強盗がやってきます。これは来ます。これはかなりぐーっと来ます。覚悟しいや。

スパニッシュ・アパートメント

「将来仕事のために留学せよ」とそそのかされ、スペイン留学を決意する青年グザヴィエ(ロマン・デュリス)。医師夫妻宅の居候を経て各国留学生たちとの共同生活へ。「猫が行方不明」のセドリック・クラピッシュによるEU統合型青春映画。

スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする

精神病院を退院させられ、故郷であるロンドンのとある地にある療養施設に世話になることに。少年時代を過ごした土地に舞い戻った主人公の、少年の記憶と現在が錯綜する。

スノーピアサー

ポン・ジュノ監督がフランスの人気コミックを原作としたSF娯楽大作をハリウッドのビジネスとして作るという、まるで信用ならないこの映画、見もせずに決めてかかってはいけません。相当な面白さでポン・ジュノやっぱり天才。

スノー・タウン

オーストラリアで1999年に発覚し世間を賑わせた殺人事件についての実話ベースの物語。リアリズムの技法で徹底的に描く貧困と正義と暴力。ずっしり重苦しく、胃がごろごろ言うような不快感と絶望を感じて気分が落ち込むこと請け合い。

ストーカー(One Hour Photo)

大型スーパー内のD.P.Eショップに勤めるサイ・パリッシュ(ロビン・ウィリアムズ)は自分の仕事に誇りを持ちお客本意の接客を行う優良店員。でも孤独で思い込みの強い神経の張り詰めた男。

ストーカー

危険地帯「ゾーン」へのツアコン、ストーカーと呼ばれる案内屋が作家と科学者を引き連れて進みます。タルコフスキーの超傑作、文芸哲学ハードコア社会心理精神分析ホラーSFの金字塔「ストーカー」はこちらです。

スタンドアップ

1988年の実話を元に映画化されたセクシャルハラスメント訴訟を起こす女性のドラマ。暴力亭主から逃れて故郷ミネソタに移り炭鉱労働者となるジョージー(シャーリーズ・セロン)が男社会の職場で受ける屈辱。

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

ジョージ・ルーカスが監督しない「スター・ウォーズ」の新シリーズが始まりまして、「フォースの覚醒」が2015年に公開、2017年にはエピソード8が控えていて、その前に番外編みたいな「ローグ・ワン」ってのが公開されまして、それなりに盛り上がっていた2016年年末ですが、レイア姫のキャリー・フィッシャーが急逝されました。

スキャナー・ダークリー

フィリップ・K・ディック「暗闇のスキャナー」を原作としたアニメーション映画。ただのアニメーションではなく、俳優が演じた映像を一コマ一コマ丁寧にトレースするという風変わりな作風。リアルと非リアルの妙な融合が麻薬にまつわる内容とマッチしております。

スイミング・プール

フランソワ・オゾン監督のことを「映画技法の百貨店や〜」などとふざけて言ってますが2003年の「スイミング・プール」なんかはまさにそういうのが実感できる作風です。やや行き詰まり気味の女流作家サラ(シャーロット・ランプリング)が出版社社長の持ち物である南仏の別荘を使わせてもらうことになり落ち着いて執筆活動をしようととした矢先に現れる社長の娘、奔放なジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)です。

スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜

大統領予備選にまつわる選挙事務所サスペンス。リベラルで男前の州知事に付いて予備選で勝たせようと頑張る選挙スタッフのあれこれ物語です。野望と理想を抱く若きエリートコンサルタントの仕事ぶりをドキドキドラマで展開。

人生、ここにあり!

1980年代ミラノ近郊。精神病の患者たちの組合が自主的に仕事を始めて地域社会との共存を実現していく過程を描いた実話的な物語。

ジンジャーとフレッド

ハリウッドの名ダンスコンビ、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのそっくりさん芸人であるアメリアとヒッポが30年ぶりにクリスマスのテレビ特番に出演することになって再会します。
フェデリコ・フェリーニ1985年の小粋な作品。

白いリボン

第一次世界大戦直前、北ドイツの小さな村で連続する不可解な事件と村の不穏を描くミヒャエル・ハネケ最新作にして大傑作。2009年第62回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞の「白いリボン」がようやく順次地方公開。

シルビアのいる街で

6年前の恋の街、彼女の面影追い求め、イケメン青年カフェ通い、目に映るのは美女ばかり、恋に恋する情欲を、掻き立てるかの街の顔、路面電車に路地裏に、生活臭に労働に、闊歩しまするシルビアの、まぶしいばかりの後ろ付き。

死霊のえじき

ロメロのオリジナルゾンビ3部作三作目。破滅の最後戦争。
これもあれですね、前作「ゾンビ」と同様、日本で公開された時、肝心なシーンをカットしたりサウンドのトラックが抜かれていたりと、けっこう編集されていたそうですね。

死霊館 エンフィールド事件

実在した心霊研究夫婦を扱った真っ当オカルト映画「死霊館」のパート2、こないだ日本で公開していました。「インシディアス」が大好きですが「死霊館」もたいそう印象が良い。それでパート2も観なければ。というかぜひ拝見させてください。で、観ました。これは力入ってます。

ジョニー・マッド・ドッグ

アフリカ各地で起きている内戦の現実を直視。戦場にかり出される少年兵たちをリアルに描き出す「現実突きつけ系」映画。

女王陛下のお気に入り

「籠の中の乙女」「ロブスター」「聖なる鹿殺し」のヨルゴス・ランティモス監督が18世紀初頭のイギリスを舞台に女王陛下と二人の女官のどろどろ愛憎劇を描き倒す「女王陛下のお気に入り」です。

少年と自転車

社会と人間を描かせたらこの人たちの右に出るものがいないという、ジャン=ピエールとリュックのダルデンヌ兄弟、この巨匠兄弟監督の2011年新作はやっぱり受賞の「少年と自転車」です。揺さぶられてください。

少女ヘジャル

悲惨な目に遭って生き延びたちびっ子クルド人少女ヘジャルと、妻を亡くした老人がひょんなことから出会います。社会的背景を持つちびっ子と老人の映画です。ちびっ子と老人映画にめっぽう弱いMovieBooです。これは来ました。これはぐっと来ましたよ。たまらん。これはもうたまらん。これべた褒め。

少女は自転車にのって

映画館の設置も禁止されているサウジアラビア初の女性映画監督による長編映画ということで話題だった「少女は自転車にのって」は、自転車が欲しい少女ワジダのちょっとした物語。

ジュリアン(グザヴィエ・ルグラン)

2017年のグザヴィエ・ルグラン監督作品「ジュリアン」です。離婚夫婦の親権についての映画、DVの香りもします。DV即ちドメスティック、かつバイオレンス。

主戦場

「主戦場」は安易に想像していたのと違って知的でロジカルでドラマチックでミステリアスで面白さと知性に満ちた傑作ドキュメンタリー映画でこれは所謂必見系の外してはならない映画の一つ。

ジャンゴ 繋がれざる者

クエンティン・タランティーノの西部劇。奴隷問題をテーマに映画を作りたかったそうですが、もちろん真面目に社会問題を扱うわけがなく、黒人賞金稼ぎのずびずば映画です。超面白いとしか言いようがないしわーわー言って楽しむ以外に術がない天下の娯楽超大作。

ジャケット

「ジャケット」2005年の映画。湾岸戦争での怪我で記憶障害の後遺症を持つ元軍人が、ある事件に巻き込まれたことで精神病院に送られ、拘束衣(ジャケット)を着せられ矯正の実験治療を受けることに。素晴らしいが最悪の映画、その訳は・・・

ジミー、野を駆ける伝説

ケン・ローチ監督2014年の「ジミー、野を駆ける伝説」は1930年代アイルランドの実在の人物ジミー・グラルトンを描いた作品です。ジミー・グラルトンとはどんなひとでしょう。こんなひとです。

ジプシーのとき

ジプシーが出演しジプシーの言語をも採用したことでも話題だったエミール・クストリッツァ1988年の「ジプシーのとき」はいろんな意味でジプシーブームの先駆けでクストリッツァ史的にも重要な起点となった特別な一本。

シティ・オブ・ゴッド

リオデジャネイロのスラムを舞台にしたストリートチルドレンやギャングたちの抗争。貧困と暴力と麻薬。そして血の中の知力と文化。実話を元にした実録小説の映画化。

シチリア!シチリア!

シチリア州バーリアを舞台に時代を駆け抜ける男の半生。時代、人生、家族、社会、故郷。ジュゼッペ・トルナトーレが渾身の思いで綴る一大走馬燈物語。「シチリア!シチリア!」2009年。

しあわせの雨傘

時は1970年代後半。大手傘メーカーの社長夫人が「Potiche(飾り壺)」ではない人生を歩み出すお話。70年代テイストたっぷりのコミカル人情仕事ドラマ。カトリーヌ・ドヌーヴ始めスター共演による程よく力の抜けた逸品。フランソワ・オゾン天才。「しあわせの雨傘」

シークレット・オブ・モンスター

独裁者の幼年期を描くという映画「シークレット・オブ・モンスター」はブラディ・コーベット監督気合の一本です。最初興味ありませんでしたが興味が出てきたので観ました。この映画の感想、それはもういろいろ複雑です。

山椒大夫

1954年、溝口健二監督の「山椒大夫」です。森鴎外の小説を脚色して映画化、でも元はといえば説話「さんせう太夫」つまりお子さんにも馴染みの「安寿と厨子王」です。映像美の極致と言っていいでしょう。