フローズン

スキー場に遊びに来た学生3人がリフトに乗っておりますとこれが止まります。おいおいいい加減にしろ早く動かせよ。最初は暢気に構えてますがだんだん事の重大さが3人にもわかってきます。雪山でリフト上に取り残される恐怖を描くソリッド・シチエーション・スリラー。これ良い出来です。

ブラック・ブレッド

スペイン映画の話題作「ブラック・ブレッド」をやっと観ました。内戦終了後のカタルニア地方を舞台に描くクライム系複雑ドラマ。個性的な作品です。

スペイン一家監禁事件

ヨーロッパ中で多く起こっていると言われている犯罪、押し込み強盗を真っ向勝負で描いたスーパーナチュラルクライム最悪系映画。越してきたばかりの裕福なご家庭に強盗がやってきます。これは来ます。これはかなりぐーっと来ます。覚悟しいや。

パーフェクト・ホスト

指名手配中の男が咄嗟の嘘で逃げ込んだ住宅街の豪邸。家の主は親切にもてなしますが強盗が本性を現す頃、この家の主もまた本性を現し始め、不条理極まりない夜が始まります。

ビューティフル・ダイ

「ABC・オブ・デス」のアヒルの回の監督、若きアダム・ウィンガードによる2010年のスリラー。2011年の「サプライズ」高評価により2013年に日本で紹介された、事情を抱えるアル中治療中の女性サラを巡るドラマと殺人狂のバイオレンス。これはいい感じ。

パーフェクト・ゲッタウェイ

ハワイ、ほとんど人がいないカウアイ島でトレッキングハネムーンを楽しむクリフとシドニーの新婚さん。時を同じくしてこの島に二人連れの殺人犯がやって来ている模様。どうする?ねえ、どうする?

瞳の奥の秘密

裁判所を定年退職したベンハミンは、忘れようにも忘れられない25年前に扱った事件についての小説を書き始めています。かつての職場を訪ね、元上司のキャリア、イレーネと再会。25年前の暴行殺人事件について腑に落ちない思いを巡らせます。

時の重なる女

ホテルで働くソニアと元刑事で警備員のグイドが出会い系パーティで知り合って仲良くなりまして、浮き浮き気分でグイドが警備を担当している邸宅に入り込んでいちゃついておりますと、そこに現れ出でたる押し込み強盗団の面々。夢のデートが一瞬で悪夢へと。愛とまぼろしのサイコ系ホラー系マカロニミステリースリラー。

ル・コルビュジエの家

リフォームの改装工事をめぐるお隣さん同士のトラブルを描きますが、その家がル・コルビュジエが設計した家ということで、トラブルと名建築家の建物とおかしな人と摩訶不思議な出来事を堪能できるテーマ分散型不条理設定のモダンムービーにございます。そうとう面白い。

すべて彼女のために

地味な国語教師のジュリアン、なぜか奥さんは超別嬪の編集者。そりゃ超ジュテームだわさ。しかしある日突然警察が乱入し奥さんが殺人事件の容疑者として捕まってしまう。何だ何だそんな馬鹿な何が起こったんだ。あれよあれよ。

バーン・アフター・リーディング

ひょんな事から元CIAが執筆中の原稿を手に入れたフィットネスクラブで働くおちゃらけた面々。ストーリーテリングを味わい尽くせるコーエン節全開の快作。

バンク・ジョブ

1971年に起きたロンドンの銀行貸金庫強奪事件を映画化。英国史上最大の銀行強奪事件に当初は報道も過熱し大騒ぎに。しかしなぜか数日後事件は一切報道されなくなる。ヤバい系の報道統制ですね。実話系銀行系クライム・サスペンス。

テラートレイン

大学のレスリングチームが東欧へ遠征。主人公たちは夜遊びして予定の列車に乗り遅れ、親切な女性に教えてもらった別の列車に乗ってみんなの後を追います。待ち構えているのはもちろん恐ろしい殺人列車の恐怖。1980年の「テラー・トレイン」のリメイク。

サベイランス

殺人事件の捜査のため田舎の警察へやってきたFBI捜査官のエリザベス(ジュリア・オーモンド)とサム(ビル・ブルマン)。悲惨な事件の生き残り三人にそれぞれ別室で事情聴取を行い、事件の全容を聞き出そうとする。

解体病棟 ファイナル・デッドオペレーション

原題「Autopsy」は「検死」の意味で、そのものズバリ、発作的病院残虐物語。若者たちが訪れた病院は恐怖のホスピタル。上映会での邦題は「解体病棟」

バイオレンス・レイク

カップルがおります。週末綺麗な湖に行こう、君に見せてあげたくて。あら嬉しいわ行きましょう行きましょう。着いた。五月蠅いガキどもがいるな。ほっときましょうよ。ちょっと文句いってやるよ。ほっときましょうって。あっ。何てことを。ぎゃーっ。

永遠のこどもたち

海辺の孤児院で育ち里親に引き取られたラウラ。30年後、彼女は夫と子供と共にこの地に戻り、閉鎖されていた孤児院を買い取って障害児のための施設を開園しようと進めていた・・・

NAKED マン・ハンティング

ガソリンスタンドで財布を盗まれ、山道でいきなり銃撃され、逃げ惑ううちに森で道に迷い、もうどうすりゃいいの、と最悪の状況。正体不明の何者かに森で狙われるホラーテイストスリラー「NAKED マン・ハンティング」を行きがかり上、観ました。

ヴェラの祈り

「父、帰る」のアンドレイ・ズビャギンツェフ監督2007年の「ヴェラの祈り」は圧倒的映像美で綴る文芸状家族のドラマで緻密に描く孤独と愛の夫婦関係でなおかつビックリ仰天サイコスリラーでもあるという意欲作。

インランド・エンパイア

デヴィッド・リンチ渾身の長編。幻想的分裂病的カオスにして複合パズル。緊張と恐怖、不安と悲哀で綴る実験的映画の大傑作。

テキサス・チェーンソー・ビギニング

>名作「悪魔のいけにえ」(1974:トビー・フーパー)の続編、というか過去に遡り殺人鬼の「誕生秘話」みたいな設定の2006年の新作。企画モノの一過性作品かと思って侮っていたら大間違い。ジョナサン・リーベスマン、舐めてました。ごめんなさい。

変人村

若者たちがクラブでナンパした女の子の自宅、街からめちゃ遠いド田舎の屋敷へ遊びに行きます。出迎えるのはちょっと怖そうな使用人ジョセフ。やばそうなジョセフをヴァンサン・カッセルがノリノリで演じます。
キキ・ピカソの倅でアングラアーティストでもあるキム・シャピロン監督のデビュー作。

ジャケット

「ジャケット」2005年の映画。湾岸戦争での怪我で記憶障害の後遺症を持つ元軍人が、ある事件に巻き込まれたことで精神病院に送られ、拘束衣(ジャケット)を着せられ矯正の実験治療を受けることに。素晴らしいが最悪の映画、その訳は・・・

ハード・キャンディ

出会い系チャットで知り合った14歳少女と32歳カメラマン。さっそく会うことになりまして、カメラマンの自宅兼スタジオに場所を移します。エレン・ペイジとパトリック・ウィルソン、たった二人の緊迫しまくる室内劇。駆け引き系心理系応酬サスペンスの大傑作。

変態男

「変態男」という邦題を付けられたこの作品、オリジナルタイトルは「凡人」です。ホラーでもスプラッタでも色物系低品質映画でもありません。
ヨーロッパの新鋭監督による変な路線の良作を日本に紹介する変態箱シリーズ、その中でも「変態村」と並ぶ屈指の出来映え。

アンチボディ

変態猟奇殺人犯の男と田舎の警官が対峙します。いわゆる「羊たちの沈黙」とか「セブン」とかの系統の、犯人と警官の対話による心理戦系サイコスリラー。そういう系ですがなかなかよくできてます。

マダムと奇人と殺人と

美大生ばかりを狙った連続殺人事件の捜査に挑むレオン警視が辿り着いたのはビストロ「突然死」。この変な名のビストロに集まるこれまた変でおかしな面々。泥臭くて最高なビストロ物語と事件。

アイデンティティ

なんだかよくわからない状況から映画が始まり、気がつくとノンストップミステリースリラーサイコモーテルの怪しい連中に弄ばれ観ているこちらは右往左往。つかみどころがない面白さで一気に昇天。とても面白かったです。

dot the i ドット・ジ・アイ

恋はだましあい。映画はトリック。気軽なキスが運命を変え、誰かの視線が危険な三角関係を追う。人の心を踏みにじり、転がり続ける物語、二転三転怒濤の展開にお口あんぐりラブ&サイコ・スリラー・メタフィクションの変作。

スイミング・プール

フランソワ・オゾン監督のことを「映画技法の百貨店や〜」などとふざけて言ってますが2003年の「スイミング・プール」なんかはまさにそういうのが実感できる作風です。やや行き詰まり気味の女流作家サラ(シャーロット・ランプリング)が出版社社長の持ち物である南仏の別荘を使わせてもらうことになり落ち着いて執筆活動をしようととした矢先に現れる社長の娘、奔放なジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)です。

堕天使のパスポート

昼はタクシードライバー、夜はホテルのフロント係、してその実態は、医師であり貧困な移民たちに医療措置を施す正義漢。しかし貧困と移民問題は思わぬ深みへと鑑賞者を引きずり込みます。

ストーカー(One Hour Photo)

大型スーパー内のD.P.Eショップに勤めるサイ・パリッシュ(ロビン・ウィリアムズ)は自分の仕事に誇りを持ちお客本意の接客を行う優良店員。でも孤独で思い込みの強い神経の張り詰めた男。

サーティーン みんなのしあわせ

不動産屋のセールスをしているおばちゃんが、ひょんなことから物件の一室で凄いものを手に入れ、それを巡ってアパートの住人との攻防が始まります。ブラックでコミカル、2000年「La Comunidat」(コミュニティ)というタイトルの傑作。

世界で一番醜い女

舞台は近未来2011年のスペイン共和国。老婆が殺害される事件で浮かび上がる美女の容疑者。しかしその実体は異端博士の新技術で整形された世界一醜い女だということが自然と解明されていきます。という話ですが、別の意味で実に興味深い一本でもあります。